院長ご挨拶 患者さまに常に寄り添う医師でありたい
院長のご挨拶と略歴紹介
氏名:榎本 香織 (えのもと かおり)
出身地:埼玉県川越市
免許:医師、管理栄養士
学位:博士(学術)、医学士
循環器専門医、認定内科医、TNTドクター
(専門分野は、高血圧、不整脈、心疾患などを中心とした循環器科、栄養学的な指導を含めた糖尿病治療、女性特有の疾患やお悩みに対応する女性内科です)
所属:元諏訪赤十字病院循環器内科医師(~R5年3月)、信州大学医学部循環器内科教室同門会、日本医師会、長野県医師会、諏訪郡医師会
所属学会:日本循環器学会、日本内科学会、日本静脈経腸栄養学会、日本心臓リハビリテーション学会
連携医療機関:信州大学医学部付属病院、諏訪赤十字病院、諏訪中央病院、富士見高原病院
はじめてお目にかかります。2023年4月茅野市本町東にクリニックとデイケア施設をオープンさせていただきました。
私は埼玉県川越市出身ですが、2002年から茅野市八ヶ岳山麓に山小屋を建て、2015年からは茅野市に生活拠点を移し、諏訪赤十字病院に勤務してきました。自然環境の素晴らしい茅野市の恵みを十二分に享受し、私の一番好きな街になりました。私は八ヶ岳山麓の諏訪エリアの環境と人々のやさしさを痛いほど感じてきた経験があり、愛してやまない諏訪エリアファンクラブ代表を自負しています。
2020年頃から、大好きな茅野の地に、地域医療に貢献するため、クリニックとデイケア施設の開業を計画し始めました。ようやく2023年春に開業の見込みが立ち、これからは地域の皆様が気軽に相談できる女性医師として、地域医療に貢献し、一生懸命、邁進していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
私の経歴をご覧になるとお分かりかもしれませんが、もともとは栄養生理学という学問を専攻してきた基礎科学者で、埼玉県和光市の理化学研究所などで研究に従事してきました。大学、大学院当時の私の恩師は、長らく栄養学分野で様々な業績を上げられたご高名な先生であり、学問や研究の姿勢、科学者としての真摯かつひたむきな努力と取り組み方をお教えいただきました。今でも私の根底には、この先生にご教授いただいた精神があります。その先生のご紹介で基礎科学研究の道に入りました。博士の研究とその後の研究生活では、世界的にもトップレベルの研究者が集まる理化学研究所で末席に座り、ストイック、アグレッシブで、どこか浮き世離れしていて、楽しく科学の楽園に遊ぶ天才奇才の集まるマニアックな世界に酔いしれながら、毎日を送りました。そんな基礎研究の過程で、科学者として研究の進め方、データ解釈の仕方を学び、ものごとの正確な見方や科学的な論理展開法を学びました。そのなかで、私は基礎科学から一歩踏み込んだ、実際の医療に即したいわゆる臨床の重要性に触発され、名門国立大学の岡山大学医学部に運良く入学、臨床医の道を選択することなったのです。岡山大学医学部でも多くの優秀な同輩や先輩に恵まれ、沢山の貴重な知識と経験を得ることができました。臨床医となって患者さまに接する今日も、基礎科学の研究者時代や母校岡山大学医学部での経験は忘れていません。つまり、科学者として、科学的視野と真摯な態度て患者さまに向かい合う臨床家としての視点を常に心掛けています。ですから私は、常に患者さまの目をみながら、注意深く、愚直に病状を観察し、科学的根拠に即した治療を心がけています。
ひとつだけ臨床の医師になってから、新たな心がけを続けてきました。それは難しい医学用語や科学的知見を表す用語をなるべく避け、患者さまにわかりやすい言葉で、患者さまの目を見て、微笑みながら患者さまに寄り添ってご説明や治療をすることです。患者さまへのお願いは、わからないことや治療に対する希望は躊躇せず、正直に私に伝えてください。私も何度も患者さんに質問します。時には患者さまの生活習慣や食生活の改善にも積極的に介入して、嫌がられるような苦言を呈し、患者さまの病状改善のため、積極的な治療をおこなうこともあることをご承知おきください。お互いに心の通った信頼できる「かかりつけ医」になりたいと思っています。
開業にあたっての診療治療ポリシー
(1) わたしたちは、患者さまの痛み、悩みに真摯にかつ謙虚に向き合い、わたしたち自身の能力の最大限で患者さまの課題解決に取り組みます。
(2) わたしは多くの患者さまに毎日接します。このため、一人ひとりの患者さまをOne of them、つまり多くの中のひとり、と考えがちです。しかし、患者さまやそのご家族から見れば、自分を診て欲しい。つまり自分や家族がOnly oneであって、唯一無二の自分自身を診て欲しいと考えるのが当たり前だと思います。わたしは患者さま一人ひとりはOne of themではなく、大切なOnly oneなのだと寄り添い、忘れずに心がけていきます。
(3) わたしたちは常に最新、最良の医学知識のアップデートに取り組み、患者さまの病状改善に寄与します。わたしたちの専門領域を超えたと判断したら、躊躇なく、患者さまの利益を優先し、連携する医療機関の専門医と迅速に連絡し、患者の生活の質の向上につくします。
(4) 患者さまの治療にあたっては、医学的に十二分な根拠ある医療を保険医療最優先に提供します。むやみに自由診療をおすすめすることは決していたしません。自由診療や民間療法のご相談に当たっては、科学的な根拠に照らし、その治療方法が本当に信頼に値するのか、統計学的に有効なことが証明できるのかなど、詳細に調査、精査して、患者さまに詳しくご説明し、しつこいほど納得とリスクをおわかりいただいた上でのみ、その手法で治療にあたります。当クリニックでは、噂話や科学的根拠が明確でない伝承や治療法は一切行いませんし、怪しい民間療法はおすすめすることもいたしません。わたしはもともと科学者の端くれですから、真偽を見極める能力と判断力は鍛えてきました。似非科学や一見良さげな治療や検査の真の意味を見極める力はある程度備えていると自負しています。世の中には医師の魂を捨て、目先の利益に走る方がいるのも事実です。私はそのようなことは一切できないたちです。不器用ですが、患者さまには、いま世界的な科学的視点で、医学界で最善とされる治療方法のみをご提案させていただきます。
私の略歴
1974年 埼玉県川越市生
学歴
東京農業大学卒業
昭和女子大学卒業
昭和女子大学大学院修了
国立大学法人岡山大学医学部医学科卒業
職歴
特定国立研究開発法人理化学研究所研究員(埼玉県和光市本所、神戸市理研支所)
私立大学講師
厚生労働省所管法人研究員
岡山赤十字病院医師
諏訪赤十字病院医師
2023年4月、アイグレーハート&ケアクリニックを開業
番外編 私の趣味
趣味というと昔、基礎科学の研究者だった頃は「ええかっこしい」で、「研究」とか偉そうに言っていました。しかし、年齢を重ねてきたこともあり、いまでも残って継続している趣味というのは、20代後半のころから始めた骨董の陶磁器収集や補修が挙げられます。
食の科学に関心のあった私は、季節ごとに日々の食事を盛り付ける器の美しさにも関心を持ち、余裕ができると一つ一つ収集を始めました。またそれを日常的に利用する「用の美」に徹することなのです。
今なおはまっているのは、古伊万里や漆器などを日々の暮らしに取り入れることですが、幸い夫も科学者で無類の骨董趣味の粋人で、グルメヲタクですから、共通の趣味を楽しんでいます。私たちの場合、日常の生活にこれらを床の間に飾るのではなく、利用するのが基本的なスタンスですから、それほど高いものはありません。思えばかれこれ20年以上にわたり、都内、京都、岡山、長野などの骨董店や骨董市に足繁く通い、手に入れた安物ながら味のある日用雑器が大半です。
コレクションが増えるに従い、我が家は現代の食器はほとんど使わなくなりました。このため、今では古い食器類ばかりになり、もはや食洗器での洗浄がほとんどできなくなってしまいました。毎回の食後には、手洗いの手間が結構かかります。手に入れた時からの傷のある器、日常利用で傷ついてしまった器もあり、暇を見つけて、蓼科の山小屋の休日には、夫とともに金繕いなどで直して、長く日常に用いています。どの食器も思い出と味わいがある器ばかりで、いまでも大切に使っています。
私たちのクリニックもオープンしたばかりの新参者ですし、この地域の出身でないよそ者ですが、皆様に長らく愛される日常雑器のような便利で愛おしいまれるクリニックを目指したいと思います。よろしくお願いいたします。
アイグレーとは?
ギリシャ神話に出てくる医学の神様アスクレピオスの娘で、健康、病気の治癒を司る女神の名前です。院長である私は女性ですので、「健康、病気の治癒を司る女神」にあやかりたいと考え、クリニックの名称にしました。