禁煙外来について 20240915
禁煙外来とは
禁煙外来は、たばこの禁煙を目指す患者さまの手助けをするための専門外来です。当院では、禁煙指導や禁煙補助薬による治療を行っております。禁煙治療には、一定の条件を満たせば健康保険が適用されます。これは、喫煙が単なる習慣となっているだけではなく、ニコチン依存症という病気であるという考えからくるもので、保険診療で禁煙治療ができるようになったのです。
禁煙外来の健康保険適用のための条件とは
当院の禁煙専門外来では、以下に示す条件にすべて該当した場合に、保険診療で禁煙治療を行うことができます。
健康保険を使用した禁煙外来の治療は年に1回までです。
⑴ ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)でニコチン依存症と判定された方。
⑵ 1日のタバコの喫煙本数×喫煙年数が200以上になる方
* 1日10本吸っておられる方は、2年で200を超えます。
⑶ すぐに禁煙することを希望している方
⑷ 禁煙治療についての医師からの説明を受け、治療を受けることを文書により同意している方
* ニコチン依存症スクリーニングテスト(TDS)とは以下に示す10質問のうち5問以上が該当する場合にニコチン依存症と診断されます。
1) 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
2) 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
3) 禁煙中や本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてたまらなくなることがありましたか?
4) 禁煙中や本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか?(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
5) 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
6) 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
7) タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
8) タバコのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
9) 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
10) タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?
※(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。
禁煙外来の費用について
禁煙外来の費用は、保険を使った場合、3割負担12週間治療で約2万円程度です。
たばこの費用と禁煙治療の費用比較
例えばJTのセブンスター(定価600円)を1日1箱(20本)、12週間吸った場合の費用は、50400円です。禁煙外来の費用は、禁煙補助薬を用いた禁煙治療で20000円程度です。禁煙成功後は、健康状態が良くなることはもちろん、タバコの費用はなくなるわけですから、経済面から考えても禁煙外来のトライはいいことですね。
禁煙外来の期間について
禁煙治療の期間は12週間が基本です。その間に5回診察(初回診療、初回診療から2週間後、4週間後、8週間後、12週間後)を受けていただきます。禁煙治療の条件確認後、診察時に一酸化炭素濃度の測定や禁煙指導を行います。治療期間中に大切なのは途中で通院をやめてしまわないことで、途中で通院しなくなれば再喫煙の可能性も高くなってしまいます。12週間のプログラム終了後であっても、自由診療でなら禁煙補助薬を継続することが可能です。
※原則1年間、健康保険を使用して禁煙外来を受診することはできませんが、前回の禁煙外来初診日より1年以上経過すれば受診可能です。
禁煙補助薬を用いた禁煙治療について
禁煙補助薬にはニコチンパッチ(貼り薬)と飲み薬があり、禁煙補助薬を用いた治療は、禁煙後の離脱症状が緩和されるため自力で禁煙するよりも、比較的楽に禁煙することが可能になります。ニコチンパッチはニコチンを含む貼り薬で、飲み薬はニコチンを含まない飲み薬となっています。飲み薬の方はニコチンを含まないため、循環器疾患の患者さんにも使いやすいという特徴があります。
禁煙したい方、ぜひ一度当院にご相談ください。