ショックマスター(拡散型圧力波治療器)による慢性疼痛治療について
ショックマスター(拡散型圧力波治療器)による慢性疼痛の治療
当クリニックでは、肘、肩、膝、足首などの慢性疼痛に悩む患者さまの治療のため、ショックマスター(拡散型圧力波治療器)による治療を始めました。このショックマスター(拡散型圧力波治療器)は、欧米などを含む世界各国のリハビリテーションで、注目を集めています。
ショックマスター(拡散型圧力波治療器)とは?
ショックマスター(拡散型圧力波治療器)は、痛みのある肘、膝、肩などに圧力波をあて、硬くなった組織をやわらげ、痛みを緩和する効果のある医療機械(物理療法装置)です。当クリニックでは、まず患者さまの慢性疼痛にこの装置による治療法がつかえるかどうか、医師の診察を行います。この後、理学療法士が施術します。この装置は、大谷翔平選手などの有名アスリートも痛みやこりの緩和のため使用しています。諏訪地域でこの装置を有しているのは当クリニック以外にありません。
原理
圧力波(圧縮した空気による振動波)を患部に当てるとことで、痛みを一時的に麻痺させ、患部やその周辺の細胞を活性化させ、組織再成をうながし、痛みの軽減をもたらします。圧力波を患部にあてる治療中は、一時的に痛みを伴うことがあります。これは圧力波によって、血液が滞留している部分や固化している部分(いわゆるコリ)が刺激され、血流が増加したり、“コリ”がほぐれるためで、一時的なものです。この痛みの後、血液の滞留や固化した組織(コリや石灰化沈着など)が解消し、組織の再生や修復が進むと考えられ、これによって、慢性化した治りにくい痛みが取り除かれると考えられています。
治療対象
筋肉や腱の炎症などの慢性疼痛が対象となります。外科手術することなく、痛みの緩和や治癒が期待できるため、スポーツの早期復帰・早期回復を目指す方々にも適した治療法です。
ショックマスターを治療に使う場合の流れ
(1)初診:医師による診察、検査(保険診療)
初診は現在抱えておられる慢性疼痛の診察と検査になります。この初診はショックマスターを使用する前の診察で、慢性疼痛の診断を保険診療で行います。診察には、医師とともに施術を行う理学療法士も同席します。医師はまず患者さまの痛みの部位、今までの痛みの治療法、飲んでいるお薬などお話を伺います。さらに心臓疾患の有無、ペースメーカーの使用の有無などをチェックし、血液や骨の状態(骨粗しょう症など)の検査を行います。初診日は、すべてのデータがそろわないので、本格的なショックマスターによる治療は2回目以降になります。
(2)初診:理学療法士からショックマスターの装置と治療の実際についての説明とテスト(保険診療とショックマスターの無料テスト)
医師による初診の後、理学療法士がショックマスターの装置のご説明と、実際にショックマスターを使い、痛みを強く感じる部位以外の部分に圧力波を当てて、患者さまの治療における感覚を体験していただきます。理学療法士の施術には必要によって、医師も同席します。
(3)初診の診察料(保険診療)
初診料と検査料など 3割負担の方 3000~5000円
(4)2回目の診察:医師による検査結果の説明(保険外診療:自由診療)
初診から1週間以内に再診していただき、医師から初診時の検査結果についてご説明し、ショックマスターによる患部治療に入ります。
(5)2回目の診察:ショックマスター治療の開始(保険外診療:自由診療)
理学療法士が、ショックマスターを患部(痛みの強く感じる部位)へ当てて、治療を行います。必要に応じて医師がチェックします。1回の施術は5分~10分程度です。
すべての方 1部位あたり 4000円
(6)(保険外診療:自由診療)ショックマスター治療後は、組織が再生するまでの1週間程度休養します。治療中は、抗炎症性の高い鎮痛剤の使用はなるべく控えてください。また、治療直後の患部のトレーニング、物理療法(低周波治療、超音波治療等)も控えてください。
(7)(保険外診療:自由診療)3回目の診察以降:ショックマスターの治療を繰り返すことで、徐々に痛みが減少し、動きも良くなります。ただし、痛みの回復は個人差があります。症状の改善状況にもよりますが、4回~8回(1~2ヶ月)程度の治療が目安になります。
(8)痛みの改善がみられ、最終的なショックマスター治療を終えられた患者さまの診察(保険診療)
最後のショックマスター治療を終えて1週間程度の後、慢性疼痛に関する診察を最後に行います。患部の疼痛の状況やからだ全体の状況を検査、診察します。
ショックマスターを用いた診察・治療費総額の目安
初診に係る診察と検査(保険診療) 3割負担の方 3000~5000円
2回目以降のショックマスター治療(保険外診療、自由診療)
1患部 4000円/回 × 4~8回 16000円~32000円
終了時診察と検査(保険診療) 3割負担の方 3000~5000円
併用する処方や検査内容によっても異なります。
ショックマスターが有効と考えられる主な疾患(当クリニックでは腰痛と大転子疼痛に関するショックマスター治療は行いません。)
1)肩関節周囲炎(五十肩)
2)上腕骨外側または内側上顆炎(いわゆるテニス肘。テニスや野球などの限らず、調理、レジ打ち、パソコン操作、農作業など、手首やひじを繰り返し酷使することでも発症)
3)ジャンパー膝(膝蓋腱炎のこと、ジャンプや着地、ダッシュやストップなど、急激な動作を繰り返すことによって、膝蓋腱に生じる膝の使い過ぎによる障害)
4)腸脛靱帯炎(腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)は、主に長時間のランニングなどを行った際に、膝の外側が痛くなる疾患です。腸脛靭帯炎の発症原因はランニングのみに限定されませんが、ランニング動作でよく生じるため、“ランナー膝”といわれます。)
5)脛骨過労性骨膜炎(シンスプリント)(スポーツなどにより、脛(すね)周囲に痛みが生じ、安静にすることにより痛みが引く症状のことを言います。筋肉による繰り返しの牽引を原因とした下腿の骨膜炎です。)
6)アキレス腱炎、アキレス腱付着部炎
7)足底腱膜炎
8)頚部痛症候群(肩こり)
9)石灰性腱炎(肩関節の関節包や滑液包(肩峰下滑液包を含む)の炎症、X線撮影によって腱板部分に石灰沈着を確認)
10)関節拘縮
治療できない方
・捻挫や肉離れなど急性の痛み(疼痛)のある方
・骨粗しょう症の方
・心臓疾患のある方
・埋め込み型ペースメーカーを装着してる方
・妊婦・出産直後の方
・知覚障害、体調不良の方
0266(76)9129